カルテをみる医師

便秘というのは、腸内に長時間便が溜まった状態になりますが、これは真夏に生ゴミを常温の部屋に置きっぱなしにするのと同じ状態です。

体温は平均36.5度ですから、その温度の中に食べ物の消化物が溜まっているので、便からは毒素が排出されて腸壁から取り込まれ全身をめぐります。

この毒素の影響で血流が悪くなったり、内臓器官に悪影響を与えて病気が引き起こされることがあります。

しかし、逆に病気のせいで便秘が起こることもあります。

きちんと便秘対策を行っているのに便が出ない、便秘だけではなく腹痛の症状が起こるという場合は、病気が原因の便秘かもしれません。

病気によって引き起こされる便秘だと、普通の対策では改善できませんから、自分の症状と照らし合わせて関連性のある病気をチェックしてみてください。

下痢と便秘を繰り返したり、腹痛の症状がある場合は、過敏性腸症候群という病気かもしれません。

この病気の一番の原因はストレスなので、仕事や育児などでストレスが溜まっている方は過敏性腸症候群になりやすいですから注意してください。

下痢はしないけどお腹や下腹部に痛みが起こる、という場合は胃潰瘍や十二指腸潰瘍の可能性があります。

これは胃や小腸、十二指腸などに炎症が起こって細胞が変化し腫瘍ができる病気で、消化機能全般を低下させます。

この病気もストレスや生活環境に原因があるので、心当たりがある方はしっかり検査を受けましょう。

あまり自覚症状はないのですが、30歳を超えた女性に注意が必要なのは子宮筋腫や卵巣嚢腫など腫瘍ができる婦人科系の病気です。

婦人科系の病気が直接便秘を引き起こすわけではありませんが、子宮筋腫など腫瘍が出来て肥大化すると、腸が圧迫されてしまいその影響で便秘になります。

また、中にはかなり重篤な病気で便秘になることがあります。

腹痛や血便が出る場合は大腸がんかもしれませんし、慢性便秘でどんどん症状がひどくなっている場合は大腸ポリープの可能性もあります。

激しい腹痛や吐き気がするという方は腸閉塞の疑いもありますし、糖尿病で糖尿病性神経障害が合併すると便秘になってしまいます。

ちなみに、神経的な病気でも便秘になることがあります。

過度のストレスで自律神経失調症になったり、うつ病と同じような精神症状が出ると、便の排出に必要なぜん動運動のリズムが狂って便が出なくなります。

このように便秘から疑われる病気はたくさんあるので、神経質になる必要はないものの、おかしいと感じる症状があったら速やかに医療機関で診察をうけてください。